変な夢は見ないほうがいい

呆れるね。世の中にはぼろい儲け話があるもので・・・。
1000万円の投資が数年後には倍になるなんて、そんな嘘みたいなはなしが本当にあったんだ。こういうのを、まさに不労所得と言うのかな。

昨日は病院への定期的な外来の日。
で、待合室で名前が呼ばれるのを待っていると、大型テレビのスクリーンに日銀総裁が大写しになっている。
なかなかの好々爺で印象は悪くない。
しかし、見た目とは違って、われわれ下々のものとはずい分とかけ離れたことをやっているらしい。

日銀総裁というのは偉いンじゃないのかい。本当は・・・。でも、そうでもないらしい。
越後屋、おまえも悪よのぉ、の世界か。
合法的にどっぷりとたらふく儲ける。資本主義、自由主義のもと、大いばりでこんなことができるとはね。
下々の私自身と重ね合わせると、あまりの落差に愕然とするね。

ところで、私は毎月の行事のごとく病院に通っている。病名は「IDDM」、邦名は「インスリン依存型糖尿病」、またの名を「1型糖尿病」。
糖尿病は非常にポピュラーなのに、1型糖尿病のことを理解している人はまずいないと言ってもいい。病院関係者でさえ、わからない人がいるくらいだから無理もないかな。

病院へは毎月何をしに行くかと聞かれるとちょっと迷うが、習慣だから、と答えるしかない。
どうして月に一回なのか、もよく分からない。病院の都合じゃないの、なんて勝手に考えている。

毎日のインスリン注射が必須なので、病院へはまるで一ヶ月間の注射セットの買い出しに行くような気分だ。
その他、診察代や検査費を合わせて総支払い額は約12000円前後。
この金額、今の生活状況からみると相当な出費になる。

というわけで、このところ、主治医の女医さんに「もっと、費用は安くなりませんか」と無理な、しかも勝手な相談をもちかけている。
迷惑な問いかけにもかかわらず、前回は検査を必要最小限なものに減らしてくれた。といっても尿検査がなくなっただけ。

で、会計での支払いはいくらだったかと・・・?
12000円とちょっと。ほとんどいつもと変わらなかった。

そのことを昨日の診察のときに話したら、今回は血液検査のHbA1cというかなり重要な検査も省略したらしい。
私の方は一向にかまわないのだが、血液採取のとき、看護士さんが「HbA1cの検査はしなくていいのかしら」と逆に心配している。
「私が頼んだのです」と言うと、何か煮え切らない表情で渋々納得したようだ。
「きちんと検査をしておかないと、あとで余計に費用がかかってしまうのでは」とも言ってくれたが、私は聞かぬふりをして知らんぷり。なんという頑固なおやじ、と思ったに違いない。

さて、会計。
どのくらいまで支払いが減ったかな、なんて妙な期待をしていたが、今回も見事に期待を打ち砕かれた。
支払い総額、11000円。
1000円安くなっただけ。便秘の薬を処方してもらったから少し高めになったとはいえ、一万円を切るかななんて淡い期待は夢と消えた。しかも、インスリンの本数も極力減らしてもらっているにもかかわらず。

ほんとうに、医療費の計算はわれわれ凡人には全くのブラックボックスの中を覗いているようで、ほとんど何も見えない。
少しでも医療費を安くしたいとのせつない闘いは、煙を握りしめるように虚しいことなのか・・・。

結局、検査を省いても支払いにはたいした影響はないよ、という強烈なパンチを食らってしまった。痛ッ!!

薬をもらう間の待ち時間、テレビを虚ろに見ながら、なにか、日銀総裁がやっていたようなぼろい儲け話はないものか、な~・・・。

でも、夢はすぐに覚めて現実に戻った。「そんな夢を見るのはやめておけ。仮にあったとしても、大火傷をするだけだよ」、と誰かがささやいたような。

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