糖尿外来

昨日は世界糖尿病デー。東京タワーがいつもの色からブルーに変わった写真が新聞に載っている。いつもの色よりこちらの方がず~っと綺麗に見える。
でも、なんでブルー?
たしかに私にとって糖尿病はブルーそのものだが、気持はもっと明るい、暖かい色であって欲しいね。
ま、そんなことはどうでもいいが。

今日は5週に一度の糖尿外来の日。
最近の血糖値の乱れようは血糖管理を忘れてしまったかのように激しい。主治医がどんな風に私の記録を見るのか、ちょっと意地悪く、楽しみだったが・・・。

予想通りHbA1cは今回も優秀。またも記録更新の6.1。このところ、コンマ1ずつ記録を更新している。
この調子でゆくと5パーセント台も見えてきた、と私が言うと、そこまで下げる必要はまったくないと主治医。
低血糖頻発の結果の良好なHbA1cが、誰の目にも不自然に見えるのは当たり前のことかもしれない。

だが、今日の検査結果は、おそらくHbA1cについては記録更新などないだろう。そんなに上がってはいないかもしれないが下がるはずはない。
もう、この辺でHbA1cを下げるだけの血糖管理は終わりにすべきなのか。目標がなくってしまうようでちょっと寂しいが。

次回からは一時間前に検査を済ませ、検査結果が出た時点で診察を受けることになった。
今よりも病院に長く留まることになるが、結果がその日にわかるのでとくに反対する理由もない。素直に「いいですよ」と返事をした。

今日の支払い金額、10,230円。

先月から読み始めた「カラマーゾフの兄弟」の第一巻をやっと読み終えた。
以前、「でも、なんとなく、近いうちに読んでいる自分が想像できる」と書いたが、その通り買ってしまったというわけ。

第一巻を読み終えるまでにだいぶ時間がかかったが、翻訳も評判通り読みやすいし、なんかへんちくりんな序文を通りすぎると次第に面白くなってきた。
普通だったら第一巻を読み終える前に第二巻を買っておくべきだが、まだ第二巻は手元にない。
第一巻の定価は760円、第二巻は820円、第三巻880円、第4巻1,080円、第五巻エピローグ別巻660円と、最終巻を除いて尻上がりに値段が上がってゆく。
最後まで読むといったいいくらになる?

・・・とは言っても、第二巻を買うのは時間の問題だろうな。ここで読むのをやめられるわけがない。

主人公アレクセイ(アリョーシャ)はロシア正教会の修道僧の設定だが、第一巻の付録として書かれている読書ガイドでは、ドストエフスキー自身はカトリック嫌いだったと書かれている。しかもイエズス会に対する嫌悪は、並々ならぬものがあったとか。
それだけ、カトリックとロシア正教との間には深い溝があったということなのかもしれない。
その点、私などはカトリックだろうがプロテスタントだろうが、どちらでも違和感を感じないのはいったいどうしてなんだろう。

キリスト教の歴史に対する無知?
それも少しはあるかも。

IDDM(1型糖尿病)患者にとって、インスリン注射はどうしても避けて通れない、毎日の決められた勤めぐらいに考えている。嫌だったら注射をしなければいいわけで、ただその場合、何ヶ月後には確実な死が訪れる。

私の場合は毎日5回、1年では1,825回、10年では18,250回に・・・?
一回につき10円を貯金すれば、5年を経た暁には91,250円が貯まることになる。デスクトップコンピューターが一台買えそうだ。

それほど重要なインスリンなのだが、けっこう持ち運びや一カ所にまとめて整理するのに苦労したりする。既製品で、「これは」というものが意外とないからだ。

そんなわけで、私も小さなボーチに入れたり、小ぶりのケースに入れたりいろいろ工夫して持ち歩くことが多い。
最近では下の写真のようなものを使っている。

100円ショップで買ったプラスチックボックスを少し加工して、携帯用ツールボックスに仕上げてみた。大きさは、縦140ミリ、横200ミリ、厚さ42ミリとちょっと大きめ。
本当はもう少し小ぶりなもので作ってみたが、どうしても超持効型インスリン・ランタスがすんなりと入らない。

どういうわけか、ランタスというインスリン注射器は絶望的にでかい。
しかも、無骨なデザインといい、使い勝手の悪さといい、ケチをつければいくらでも出てくるが、まあ、そのうちに良くなるだろうと、できるだけ好意的に考えることにしている。

で、仕方なく写真のようなものにした。弁当箱よりは少し小さいかなと言った感じ。
これを普段は私の部屋の机の上に置いてあるが、ときどき食堂の食卓の上に置きっぱなしにしてしまう、母の介護ヘルパーさんがこれを見て不思議に思っていることだろう。だが、「これは何ですか?」との質問もしてこない。もうとっくに承知済みなのかもしれない。

先日、眼科の受診があったので、ランタスとノボラピッドの2本を袋に入れて病院へ向かった。11時の予約だったのでランタスを病院で打つ可能性は高い。食事は帰ってからでもいいが、超持効型インスリン・ランタスは12時には注射をしなければならないからだ。
昼12時と夜12時の2回打ちだから、12時前後15分以内には注射することにしている。

そのうち、院内放送のスピーカーから12時を知らせるチャイムが響いてきた。さてどうする・・・。
廊下で診察を待っているひとは多かったが、かまわずその場で注射することにした。
隣のひとは何か珍しそうにしていたが、他人の目など気にせず手際よくいきなり腹に注射。何事もなかったように終えると、周りの人達は見て見ぬふりをしてくれている。

毎日のように私の注射を見ているのは家族と猫。家族と言っても今は母だけだが、猫の方は、「この人なにやってんの?」とでもいった表情でじ~っと不思議そうに見ている。

もう何年前になるだろうか、飛行機で10時間以上も旅をしたときのこと。何時間も乗っていると注射の機会も何回か訪れる。余裕があればトイレに行ったときに注射を打つが、そうもいかないときもある。

気が付いたときには機内食のワゴンがもう目の前。すぐにインスリン注射を腹に打った。これを隣の黒人女性にしっかりと見ていた。
別にひるむことでもないので、平然としていると、その女性の態度が急変。その女性の方にはみ出していた毛布を私の方に払いのけてきた。不愉快感が顔に出ている。

今まで10年以上インスリン注射をしてきて、何度か人前で注射を打って見せてあげた。面白がって見せたわけでなく、やむなく見せてやっただけだが、不快感をあらわに出されたのはその飛行機上の一回だけ。

人前で堂々と麻薬注射をするものなどいないと思うが、インスリン注射が麻薬注射と間違えられる可能性はないとはいえない。一生、インスリン注射が必要なIDDM患者にとって、そんな誤解が心の中にちょっとした傷を残す。気が付かないところで、トラウマ(精神的外傷)となって残ってしまうのだ。

IDDMとはInsulin Dependent Diabetes Mellitusの略。これを日本語に訳すと、「いとしい、だれかが、どこかで、まっている」だとか。
いとしい、て誰?

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