ヒアルロン酸

行かねばならないと思い続けていたコンタクトレンズの処方に今日やっと行ってきた。場所は柏駅の真ん前のビル。土曜日なので混んでるかなと想像していたが意外とそうでもなかった。
担当者の手際よさにちょっとびっくり。てきぱきと検査を進めてゆく。大きな病院の眼科よりもよほどキビキビしていて気持がいい。

ひと通り検査をしたあと、眼科医の診断となった。
私は円錐角膜と一型糖尿病の疾患をもっているので、そのことをありのままに話したが、先生にはあまり興味がなかったようだ。
角膜に傷があるのでヒアルロン酸の目薬を処方しておきますと先生が言う。どうしてヒアルロン酸なのですかと尋ねてみた。
角膜を保護して丈夫にするので、とくに糖尿病の人には必要とのこと。前回、いつも通院している病院の眼科でもヒアルロン酸の目薬が処方された。いつからヒアルロン酸が角膜保護ということで使われだしたのだろうか。最近なのだろうか。それとも私が気が付かなかっただけ?

ヒアルロン酸と聞いて少し昔のことを思い出した。

10年ちょっと前、中学校増築工事の現場代理人をやっていたとき、私の所属する建設会社が倒産した。そのあとの工事を保証会社の地元建設会社が引き継いだのだが、私もその会社に移籍して工事を続行してくれという。
引継式は市役所の一室。その場で私はA社からB社に移籍した。
工事は無事終了。しかし、私はその会社を辞めてしまった。
何故?

「私の会社は倒産することはない」と言い放った、ある中堅ゼネコンの部長さんの言葉についふらふらと・・・。
話を聞いていると、どうも急ぎの仕事があるらしい。
仕事の内容を尋ねると、工場の建設だと言う。現場所長がいるので手伝ってくれればいいとのことなので、それならばと引き受けた。

数日後現場に行くと、ちょっと様子がおかしい。何日もしないうちに杭打ち重機が入ってくるというのに、新築工場の位置と杭芯の位置を誰も確認していないのだ。
下請けの業者が施工図通りに仕事を勧めてはいたが、元請けのゼネコンの社員が誰も確認していないとはなんということ。

所長は確かにいたけれども、大きな工場群の雑工事に忙しくて新築工事どころではないらしい。
けっこう大きな、最新設備を備えた医薬品工場だ。
設計は日本でも有数の設計事務所。その担当者はオリンピック施設の設計側責任者。厳しさでは有名な人だという。
結局、私がその工事をやることになった。もちろん、ちょっとためらいはあったが、ここまで来たらやるしかない。そんな気持だった。

ヒアルロン酸と塩化リゾチウム。それがその新工場で製造する予定の医薬品。
工事中、その工場の責任者にヒアルロン酸というのはなんですかと聞いたことがある。
いろいろな使い途があって、化粧品の保水剤として入っていると説明してくれた。
それが、まさか目薬の主成分となって自分の目の角膜保護に使われるとはさすがにそのときは想像もしなかった。

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