うつむかずにキーを打つ

「自然に手を動かして頭に浮かんだ言葉をそのまま記録できれば、思考を妨げられることなく文章をつづることができます」

まるで、親指シフト入力のすすめのようですが、これは単なるタッチタイピングのすすめで、昨日、19日の朝日新聞に載ったもの。

記事ではローマ字入力の説明のみで、なぜか、かな入力には触れていない。それだけ、かな入力を使用するユーザーが少ないということなのかも。キーボードにはJISかな配列がせっかく刻印されているのにどうして使われないのだろうか。
コンピューターを使って20年の私でさえ、JISかな配列を一度も使ったことがないのだから、分からないこともないけれども。

記事では、QWERTY配列は過去のタイプライターのころの遺物で、とくに打ちやすさを考えていないと、いちおう書いてはある。改良されたDVORAK配列も図解入りで説明してあるが、実際、この配列を使う人がどれだけいるのだろうか。この配列のキーボードを使おうとしても、親指シフトキーボード以上の困難が立ちはだかっているかもしれない。おそらく、探すだけで疲れてしまうだろうね。

私にとっては、「親指シフトでタッチタイピング」というのが命ですから、当然、ローマ字入力を小馬鹿にしているわけです。
コンピューターは気持ちよく使えればどんな入力方法を使おうが本人の自由。ローマ字入力を使うべき、なんてことを勧めるわけしりの御方の説には、ほとんど馬耳東風です。
とは言っても、どうしてもローマ字入力を使わなければならないことがあるのです。悔しいけれども・・・。

今使っている電子辞書、あまりの便利さに製本された辞書はまったく使わなくなってしまった。その気になれば聖書さえ読みこむことができるからおそろしい。
これがローマ字配列なのだから嫌になる。50音配列もあるらしいが、機種が少ない。ほとんどがQWERTY配列になっている。
でも、ローマ字入力もこの電子辞書のように片手で打ち込むにはすこぶる具合がいい。ただ、打ち込みに時間がかかるけれども・・・。両手を使う親指シフトではこの片手打ちはまねができない。
この電子辞書をけっこう頻繁に使っていると、「コンピューターのキーもローマ字入力にしたほうがいいよ」と悪魔が、優しく、しかも言い含めるような口調でささやいてくる。
冗談じゃねえ、と啖呵は切ってみたものの、誘惑にちょっぴり負けて、あの小馬鹿にしていたローマ字入力に変えて打ってみたりするのです。

しかし・・・、やっぱりだめだ。キーボードから目を離して打っていると、自然と親指シフト入力になっている。
ところが、キーボードのローマ字を、鷹が上空から獲物を狙うように一心不乱で見つめていると、不思議とスムーズに、しかも、意外と早く打てたりする。
だが、はっきり言って疲れる。そのうえ、ちょっとでもキーから目を離すと親指シフトに戻ってしまうから面白い。
親指シフト入力用の神経が図太くなってしまって、ローマ字入力を受け付けなくなってしまったためなのか。
なにしろ、親指シフトで打っていると、頭の中は文章を考えていればいいだけ。指は自然と動いてくれる。

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